エチュード〜さよなら、青い鳥〜
「…そうね。書類としては、ちゃんとしてるけれど」
両親と涼に留学について相談したいことがあると伝えると、みんな早めに帰宅してくれた。
まずは、母の恵に書類を見てもらう。恵は書類をじっくりと読んでから首を横に振った。
「お母さんには、これが本物かどうかまではわからないわ」
「そっか。なんか話がうますぎるんだよね。
涼はどう思う?」
「マーシャ・アルジェリーナなんて、神さまだよ。その天上人が偶然初音のピアノを聴いて。しかも育てたい?俺も信じられない」
涼も書類を見るがやはり首を傾げてしまう。どうにも埒があかない。