エチュード〜さよなら、青い鳥〜
信じられない。初音という妻がありながら、昔の恋人を妻の代わりに抱くなんて。
いや、そもそも記憶がないほどに酔っていて、どこまで出来たのだろう?最後までしたとは思えない。

いくらたどっても記憶がない。だが、わざわざ服を脱いで体を寄せ合うように寝ていた。絶対何もなかったとは言える状況ではない。


「大丈夫、奥さまは遠くヨーロッパの空の下。バレやしないわ。
私はいいわよ、奥さまの代わりで」

「いや、それは駄目だ。俺にはそんなつもりは無い。もう、これきりだ。
…もしこんなことが丹下社長に知れたら、ただじゃ済まない。
悪いけど、起きて帰ってくれ、陽菜」
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