エチュード〜さよなら、青い鳥〜

部屋にはアルコールの匂いが残っている。涼はクローゼットから部屋着を出して着込むと、部屋の窓を開けた。

いきなり開いた窓に驚いて、ベランダの手すりに止まっていた小鳥が羽音を立てて飛び立つ。
小鳥はあっという間に遠ざかり、青空に消えた。

よく晴れた朝だ。
だが、清々しいはずの青空も涼の心を清めてはくれない。自己嫌悪に苛まれ、涼は頭を抱えた。

自分がこんなことをするなんて、夢にも思っていなかった。
異国の地に一人で頑張っている初音に、申し訳ない。


その時だった。室内でスマホが鳴った。涼は、ベッドの下に落ちていた自分のスマホを拾う。

画面に表示された名前に、心臓が飛び出しそうなほど驚いた。驚きながらもそっとボタンを押す。

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