エチュード〜さよなら、青い鳥〜
あふれんばかりの拍手で、涼は我に返った。
舞台の上ではマーシャと初音が満面の笑みで握手を交わしている。
ーー俺はこの数ヶ月、一体何をしていたんだ。
初音はこんなにも真摯にピアノと向き合い、マーシャ・アルジェリーナのもとでその腕を磨いていた。そして、神さまと肩を並べて演奏ができるほどに上達していた。最高の音だった。
それなのに、俺は。
当初は会社の成長、拡大に貢献できると思っていた。でも、反発勢力によって思うようにいかない。それで結局、今の業務は自分がやりたいものではないと仕事に身が入らない。昔の恋人に振り回されて、振り切ることも出来ない。全てが中途半端。
ーー俺は、とてもじゃないが初音に相応しいとは言えない。
そんな情けない男にも、最高の音楽は等しく幸せな時間を与えてくれた。
やはり、音楽は素晴らしい。
こんな最高の音楽を、世界中の人々に最高の状態で届けたい。
ずっと燻っていた夢が勢いよく再燃していく。
舞台の上ではマーシャと初音が満面の笑みで握手を交わしている。
ーー俺はこの数ヶ月、一体何をしていたんだ。
初音はこんなにも真摯にピアノと向き合い、マーシャ・アルジェリーナのもとでその腕を磨いていた。そして、神さまと肩を並べて演奏ができるほどに上達していた。最高の音だった。
それなのに、俺は。
当初は会社の成長、拡大に貢献できると思っていた。でも、反発勢力によって思うようにいかない。それで結局、今の業務は自分がやりたいものではないと仕事に身が入らない。昔の恋人に振り回されて、振り切ることも出来ない。全てが中途半端。
ーー俺は、とてもじゃないが初音に相応しいとは言えない。
そんな情けない男にも、最高の音楽は等しく幸せな時間を与えてくれた。
やはり、音楽は素晴らしい。
こんな最高の音楽を、世界中の人々に最高の状態で届けたい。
ずっと燻っていた夢が勢いよく再燃していく。