エチュード〜さよなら、青い鳥〜
「マーシャのカンが当たった」

クラウゼ教授は結果を見ると、腰を抜かしたようにその場に座り込んだ。

「…」

想像もしていなかった事実に、初音自身どうしたらいいのかわからず、放心状態だった。



「ハツネ。産みな。神さまがくれた命だ」

そんな中でマーシャだけがしっかりとしていた。
初音の目を真っ直ぐに見て、そう言った。

「無理。産まれた時から父親はいなくて、私一人じゃ育てられない」

「私たちがいる。一緒に育てる。
私は人生で子供はたった一人しか産まなかったけど。しかも、ろくに育てもしなかったけど、やっぱり子供の存在は、私にとって、すごく大きい。
ハツネ、どんな経験もしておくものだよ?」

< 231 / 324 >

この作品をシェア

pagetop