エチュード〜さよなら、青い鳥〜
「そんな先入観は要りません。純粋に、ただ私の弾くピアノの音を聞いて欲しい。
四辻さんみたいに、私が誰かも知らずに演奏聴いて、感動してもらえたら幸せ」
「…あの『革命のエチュード』は、確かに素晴らしかった。今でも思い出すと鳥肌が立ちそうです」
ほんの少しだけ、四辻の表情が和らぐ。
「あの演奏を聴いたからこそ、ハッキリ言わせてもらいます。
何が出来るかわからないとおっしゃっていましたが、あなたにはあなたにしかできないことがありますね。
あなたは、ピアニストとして生きていくべきだ。
コンクールに出て多くの人に認められて、輝く舞台で活躍するべきだ。それがあなたの希望『音楽で多くの人と幸せの共有』することに最も近く、また達成感も大きい」
この人は、何もわかっていない。
おそらくはとても真っ直ぐな人だ。自分が感動した演奏をしたというだけで、ピアニストへの道しかないと思い込んでいる。
初音は四辻の言葉に、つい、これが就職の面接だということを忘れた。
「コンクールなんて、出場する意味ありません」
「なぜ。コンクールで名を上げればピアニストとして道が開ける。ご自分の能力を世の中に示す方法としては非常に有効だと思いますが」
四辻さんみたいに、私が誰かも知らずに演奏聴いて、感動してもらえたら幸せ」
「…あの『革命のエチュード』は、確かに素晴らしかった。今でも思い出すと鳥肌が立ちそうです」
ほんの少しだけ、四辻の表情が和らぐ。
「あの演奏を聴いたからこそ、ハッキリ言わせてもらいます。
何が出来るかわからないとおっしゃっていましたが、あなたにはあなたにしかできないことがありますね。
あなたは、ピアニストとして生きていくべきだ。
コンクールに出て多くの人に認められて、輝く舞台で活躍するべきだ。それがあなたの希望『音楽で多くの人と幸せの共有』することに最も近く、また達成感も大きい」
この人は、何もわかっていない。
おそらくはとても真っ直ぐな人だ。自分が感動した演奏をしたというだけで、ピアニストへの道しかないと思い込んでいる。
初音は四辻の言葉に、つい、これが就職の面接だということを忘れた。
「コンクールなんて、出場する意味ありません」
「なぜ。コンクールで名を上げればピアニストとして道が開ける。ご自分の能力を世の中に示す方法としては非常に有効だと思いますが」