エチュード〜さよなら、青い鳥〜
ガラス張りのVIPルーム。
広宗が中に入る。部屋には恵と涼音、それにアリオンの会長である父がいた。
「広宗、四辻が来ているそうだな」
父が、ボソッと言った。
「あぁ。まるで別人のようにやつれてた」
「アイツの起こした会社は風前の灯だ。恐らくひと吹きで消える。四辻は実業家には向いてない」
父は、涼の現状を既に把握していた。初音と離婚して去って行った涼に、怒りを見せたこともあった。だが、今は静観している。
「元はといえば、俺のせいだからなぁ。涼を強引にうちへ引き抜きさえしなければ、今ごろアリオンで好きな仕事に携わって、エリート街道まっしぐらだっただろう。
俺、めちゃくちゃ責任感じてるんだ。初音にも迷惑かけてしまったし。涼が助けを求めるなら、手を差し出すつもり」
「涼くん、涼音のことは?」
尋ねた恵に広宗は首を横に振る。
広宗が中に入る。部屋には恵と涼音、それにアリオンの会長である父がいた。
「広宗、四辻が来ているそうだな」
父が、ボソッと言った。
「あぁ。まるで別人のようにやつれてた」
「アイツの起こした会社は風前の灯だ。恐らくひと吹きで消える。四辻は実業家には向いてない」
父は、涼の現状を既に把握していた。初音と離婚して去って行った涼に、怒りを見せたこともあった。だが、今は静観している。
「元はといえば、俺のせいだからなぁ。涼を強引にうちへ引き抜きさえしなければ、今ごろアリオンで好きな仕事に携わって、エリート街道まっしぐらだっただろう。
俺、めちゃくちゃ責任感じてるんだ。初音にも迷惑かけてしまったし。涼が助けを求めるなら、手を差し出すつもり」
「涼くん、涼音のことは?」
尋ねた恵に広宗は首を横に振る。