エチュード〜さよなら、青い鳥〜

「涼音のことは知らない。会社もうまくいっていないし、余裕がないようだ。
なぁ、涼音のことを言うべきなのか？
それとも、初音が望んでいないから言わない方がいいのか。正解はどっちなんだろう。
俺には分からないよ」

「そうね…親になるかどうかは、涼くんが選ぶじゃダメかしら。やっぱり、涼くんにも知る権利はあると思う。
涼音には、世界でたった一人の父親で、その事実は決して変わらないのだから。
ね、ヒロ。もし、自分の知らない間に、この世界に自分の子供がいたら、知らない方がいい？こんなに愛らしい、天使のような子よ？成長を見守りたいとは思わない？」

「もし、自分が涼の立場なら、子供がいるなら知りたいし、可能なら会いたいと思うけどさ。
ただ、これは、初音の問題だから。あまり首を突っ込むのもなぁ」