エチュード〜さよなら、青い鳥〜
「何もご存知ないからそんな事が言えるんですよ。
私は、丹下初音です。
私には、常に『アリオン』がつきまとう。
優勝すれば『アリオン』への忖度だとか、裏から手を回したとか言われ、賞を逃せば『アリオン』の娘のくせに大したことないと嘲笑される。
勝手なことばかり言われるんです。まぁ、言わせておくしかないのですけれど。
でももう、ウンザリなんです」
「…なるほど、ね」
四辻は机の上で両手を組み、顔を歪ませた初音を真っ直ぐに見た。
「丹下の名ごときで騒がれるコンクールなど大したことはない。どうせなら、実力で勝負できる大きなコンクールに出たらいい」
四辻は、見た目通りの真面目で堅物のようだ。おそらく初音の父とは真逆の性格。
初音の父広宗は、いつもニコニコして周囲の意見をよく聞き、柔軟に対応できる。
こんな風に、初音を追い詰めるような厳しい言葉をかけたりしない。
私は、丹下初音です。
私には、常に『アリオン』がつきまとう。
優勝すれば『アリオン』への忖度だとか、裏から手を回したとか言われ、賞を逃せば『アリオン』の娘のくせに大したことないと嘲笑される。
勝手なことばかり言われるんです。まぁ、言わせておくしかないのですけれど。
でももう、ウンザリなんです」
「…なるほど、ね」
四辻は机の上で両手を組み、顔を歪ませた初音を真っ直ぐに見た。
「丹下の名ごときで騒がれるコンクールなど大したことはない。どうせなら、実力で勝負できる大きなコンクールに出たらいい」
四辻は、見た目通りの真面目で堅物のようだ。おそらく初音の父とは真逆の性格。
初音の父広宗は、いつもニコニコして周囲の意見をよく聞き、柔軟に対応できる。
こんな風に、初音を追い詰めるような厳しい言葉をかけたりしない。