エチュード〜さよなら、青い鳥〜
「大学を卒業したら、ピアノは趣味で続けるだけでいい。ここで一から勉強します。どんな仕事でもします。お茶汲みでも、コピー取りでも」
「うちは茶を飲みたいヤツは、自分で勝手に飲んでいる。来客へのお茶出しは、基本、来客担当者が自分で用意する。
コピーも、会議資料はオンラインでパソコンに直接送るし、必要な時はやはり担当者が自分でコピーする。
雑務も人任せにしない。そうすれば、効率化を図るために無駄を出さなくなる。
それが丹下広宗社長の方針だ。だから、ウチは必要最小限の人員しかいない。
つまり、ここであなたに出来ることはありません」
ピシャリと言い切って、四辻は立ち上がった。