エチュード〜さよなら、青い鳥〜
「『別れの曲』として有名なショパンエチュード10-3。そして10-4を演奏しました。
『別れの曲』は、ドラマや映画でもよく使われている有名で美しい曲ですよね。実はこの曲には、「Presto con fuoco(すぐに続けて)」という指示があります。それが今弾いたエチュードの10-4です。
ショパンは、叙情的な3番と熱情的な4番と対を成す作品としていたのだと、私の師匠は教えてくれました。

別れの哀しみで終わりません。ほとばしるような情熱を呼び起こして、前へ進もう。そんな思いを込めて、本日の最後の演奏とさせていただきました。
ありがとうございました」


割れんばかりの拍手のシャワーの中、初音は今一度深々と頭を下げて、今度こそ会場を後にした。





< 279 / 324 >

この作品をシェア

pagetop