エチュード〜さよなら、青い鳥〜
「不特定多数が来場するチャリティーコンサートだからね。確かにアニメの曲から始まったときには、驚いたよ。『マゼッパ』もアリオンのCM効果で耳に聴き覚えがあるし、選曲に間違いはなかったと思うよ」
「そう。よかった」
演奏の感想を言いにきたのだろうか。ならば、きっと、『別れの曲』をまた酷評するのだろう。
初音は、身構える。
「それと…君があの曲を苦手なことは知っている。三日前にはマーシャ・アルジェリーナの史上最高の演奏もあった。あれは本当に歴史に残したいほどの名演だった。
それなのに、なぜ、『別れの曲』を?」
「ずっと探しているの。マーシャとは違う、私だけのエチュードを。今日は涼がいる、と思ったら聴いてほしくなったの。
…少しは私も成長したでしょう?」
涼に聴いてほしかった。そう素直に言うと、その答えが意外だったのだろう、涼は少し顔の表情をこわばらせた。
「そう。よかった」
演奏の感想を言いにきたのだろうか。ならば、きっと、『別れの曲』をまた酷評するのだろう。
初音は、身構える。
「それと…君があの曲を苦手なことは知っている。三日前にはマーシャ・アルジェリーナの史上最高の演奏もあった。あれは本当に歴史に残したいほどの名演だった。
それなのに、なぜ、『別れの曲』を?」
「ずっと探しているの。マーシャとは違う、私だけのエチュードを。今日は涼がいる、と思ったら聴いてほしくなったの。
…少しは私も成長したでしょう?」
涼に聴いてほしかった。そう素直に言うと、その答えが意外だったのだろう、涼は少し顔の表情をこわばらせた。