エチュード〜さよなら、青い鳥〜
別れた時よりひどくやつれている。祖父から涼が会社を興したこと、その会社が上手くいっていないことも聞いていた。
だいぶ苦労しているのだろう。涼音の存在がそこへ追い討ちをかけやしないだろうか。更に気苦労を増やしてしまうのじゃないか。
初音は、やはりこのまま彼が気付くまで知らせない方がいいと、思った。
「わざわざありがとう、じゃあ、さよなら」
そう言って、彼に背を向けた、その時だった。
「ハツネ!良い音だったじゃないか!」
控え室をノックもせずに開けたのは、マーシャだった。
「マーシャ、せめてノックくらいしないと」
その後ろをクラウゼ教授が困り顔で付いてきた。
クラウゼ教授の腕の中には、涼音がいる。
だいぶ苦労しているのだろう。涼音の存在がそこへ追い討ちをかけやしないだろうか。更に気苦労を増やしてしまうのじゃないか。
初音は、やはりこのまま彼が気付くまで知らせない方がいいと、思った。
「わざわざありがとう、じゃあ、さよなら」
そう言って、彼に背を向けた、その時だった。
「ハツネ!良い音だったじゃないか!」
控え室をノックもせずに開けたのは、マーシャだった。
「マーシャ、せめてノックくらいしないと」
その後ろをクラウゼ教授が困り顔で付いてきた。
クラウゼ教授の腕の中には、涼音がいる。