エチュード〜さよなら、青い鳥〜
クラウゼ教授が涼音を初音に渡そうとするが、初音は涼音を受け取る手を伸ばさない。


「ママ!!ママ!」


涼音がママを連呼する。仕方なく手を伸ばすと、涼音はピョンと跳ねるように初音に飛び移った。
涼音の重さがいつもより重く感じる。

「ママぁ」

浮かない様子の初音に、涼音は無邪気な笑みを向けた。その瞬間に初音が感じていた不安が、根拠もなく晴れていく。
涼音の笑顔のパワーは、無限大だ。


「…初音、その子…君の?」


初音は涼の声には耳を傾けず、あどけない涼音が愛おしくてぎゅっと抱きしめた。

< 291 / 324 >

この作品をシェア

pagetop