エチュード〜さよなら、青い鳥〜
ずっと探していた。
音楽家が魂を込めて作り出してくれた音楽を、最高の状態で全ての人に聴いてもらうにはどうしたらいいのかを。
ーーここに、あるじゃないか。
初音なら、世界中の人々に届けたいと思うほどの最高の音楽を奏でることができる。涼の夢を叶えることが出来る人だ。
やはり初音には、ピアニストとして世界を相手に活躍することが一番だと思ったことは、間違いじゃなかった。
だが、自分のことは、見誤った。現実を直視せず己を過信して、丹下の影響力がなくても夢が見れると思ってしまった。
最高の音楽を届けるには、具体的にどうしたらいいのかわからなかったくせに、そんな根拠のない夢を探すために、おろかにも全てを手放してしまった。
だが、まるで童話の『青い鳥』のように、答えは結局のところ自分に最も身近なところにあった。
手放してしまった大切な人。
もう一度手に出来るなら、人生の全てをかけて守り抜く。
初音と涼音の為なら、なんでも出来る。
そんな思いを込めて、初音に請う。
「俺にチャンスをくれないか、初音。
涼音ちゃんの父親になるチャンス。君と一緒にこの子の成長を見守りたいんだ。
君達と一緒にいたい」
音楽家が魂を込めて作り出してくれた音楽を、最高の状態で全ての人に聴いてもらうにはどうしたらいいのかを。
ーーここに、あるじゃないか。
初音なら、世界中の人々に届けたいと思うほどの最高の音楽を奏でることができる。涼の夢を叶えることが出来る人だ。
やはり初音には、ピアニストとして世界を相手に活躍することが一番だと思ったことは、間違いじゃなかった。
だが、自分のことは、見誤った。現実を直視せず己を過信して、丹下の影響力がなくても夢が見れると思ってしまった。
最高の音楽を届けるには、具体的にどうしたらいいのかわからなかったくせに、そんな根拠のない夢を探すために、おろかにも全てを手放してしまった。
だが、まるで童話の『青い鳥』のように、答えは結局のところ自分に最も身近なところにあった。
手放してしまった大切な人。
もう一度手に出来るなら、人生の全てをかけて守り抜く。
初音と涼音の為なら、なんでも出来る。
そんな思いを込めて、初音に請う。
「俺にチャンスをくれないか、初音。
涼音ちゃんの父親になるチャンス。君と一緒にこの子の成長を見守りたいんだ。
君達と一緒にいたい」