エチュード〜さよなら、青い鳥〜
「初音」
ほんの数分前、初音に声をかけてきたのは、大学の同級生だった大輔だった。
「大輔?!久しぶり!!」
「梅田や萌にはちょいちょい会うんだけど、初音は卒業以来だな!会えて嬉しいよ」
「そうだね。みんな、元気?」
「あぁ、元気だよ。萌は大学院で頑張ってる。梅田は今度フランスに行くって」
「そっかぁ」
「初音は、マジですごいな。あのマーシャ・アルジェリーナに師事しているだけじゃない。あのヘンリー・クラウスとも共演したり。なんだかとんでもなく遠くに行っちゃったな」
「運が良かった。それだけよ」
「そんなことないさ。実力だよ」
懐かしくて、つい、思い出話に花が咲く。気持ちまで学生時代に戻ったようだ。
その時、打ち合わせを終えた涼が戻ってきた。
仕事に集中しているその顔は無表情だ。
「全て、予定通りに進行するから」
涼は淡々と一言だけ伝えた。
仕事に徹したその態度は、大輔との再会に喜んでいた初音から笑顔を消してしまうほどの、冷たさだ。
「初音のマネージャー?すげぇ、切れ者っぽいな…」
「まぁね。じゃ、大輔、また」
「おぅ。今度は、メシでも行こうぜ」
ヒラヒラと手を振って大輔と別れた。
ほんの数分前、初音に声をかけてきたのは、大学の同級生だった大輔だった。
「大輔?!久しぶり!!」
「梅田や萌にはちょいちょい会うんだけど、初音は卒業以来だな!会えて嬉しいよ」
「そうだね。みんな、元気?」
「あぁ、元気だよ。萌は大学院で頑張ってる。梅田は今度フランスに行くって」
「そっかぁ」
「初音は、マジですごいな。あのマーシャ・アルジェリーナに師事しているだけじゃない。あのヘンリー・クラウスとも共演したり。なんだかとんでもなく遠くに行っちゃったな」
「運が良かった。それだけよ」
「そんなことないさ。実力だよ」
懐かしくて、つい、思い出話に花が咲く。気持ちまで学生時代に戻ったようだ。
その時、打ち合わせを終えた涼が戻ってきた。
仕事に集中しているその顔は無表情だ。
「全て、予定通りに進行するから」
涼は淡々と一言だけ伝えた。
仕事に徹したその態度は、大輔との再会に喜んでいた初音から笑顔を消してしまうほどの、冷たさだ。
「初音のマネージャー?すげぇ、切れ者っぽいな…」
「まぁね。じゃ、大輔、また」
「おぅ。今度は、メシでも行こうぜ」
ヒラヒラと手を振って大輔と別れた。