エチュード〜さよなら、青い鳥〜
その日の夜。
初音は明日のコンサートに向けて、今日の反省をしながら調整をしていた。


マーシャは涼音に絵本を読み聞かせしている。

そこへふらりとやってきたのは、世界的指揮者ハインリヒ・クラウゼだ。

「あ、オーパ!」

「スズネ!」

涼音の笑みに破顔して、ハインリヒは涼音を抱き上げた。

「オーパ(ドイツ語でおじいちゃん)だなんて呼ばせて。図々しい男だね、全く」

「だって、スズネ、可愛すぎるじゃないか!あー、オーパは今日も幸せだ」

ハインリヒは涼音を頬ずりする。涼音もキャッキャと喜んでいた。


世界最高峰クラスの、神とも称される指揮者とピアニストを骨抜きにする娘。
初音は思わず苦笑する。



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