エチュード〜さよなら、青い鳥〜
四辻の言葉が、表情が、とてつもなくイキイキしていた。
あの時、ソレアードで初音の革命のエチュードを聞いて、彼の人生が変わった。
初音のピアノにそんな奇跡を起こすチカラがあった。それは震えるほどうれしい。
「四辻さん。それ、ホントですか?」
「こんなこと、嘘ついて私に何の得もありません」
初音の表情がふぅっと明るくなる。
四辻の言葉で、初音の目の前を覆っていた不穏なモヤがすうっと消えた。どこへ向かうべきが見えなかった道筋が、ぼんやりと見えた気がする。
「どうしよう。嬉しい。ピアノを続けていてよかった」
「だから、辞めるなんて言わないでください。
もっと多くの人にあなたのピアノを聴いてほしい。いや、たぶん誰よりも私がもっと聴きたいんです。出来れば大きな舞台で、最高の演奏を」
四辻に、初めて笑みがこぼれた。
嘘のない笑顔。他人がよく見せる『丹下』に媚びるような歪んだ笑みではない。
初音の胸が、痛いほどに強く打つ。
あの時、ソレアードで初音の革命のエチュードを聞いて、彼の人生が変わった。
初音のピアノにそんな奇跡を起こすチカラがあった。それは震えるほどうれしい。
「四辻さん。それ、ホントですか?」
「こんなこと、嘘ついて私に何の得もありません」
初音の表情がふぅっと明るくなる。
四辻の言葉で、初音の目の前を覆っていた不穏なモヤがすうっと消えた。どこへ向かうべきが見えなかった道筋が、ぼんやりと見えた気がする。
「どうしよう。嬉しい。ピアノを続けていてよかった」
「だから、辞めるなんて言わないでください。
もっと多くの人にあなたのピアノを聴いてほしい。いや、たぶん誰よりも私がもっと聴きたいんです。出来れば大きな舞台で、最高の演奏を」
四辻に、初めて笑みがこぼれた。
嘘のない笑顔。他人がよく見せる『丹下』に媚びるような歪んだ笑みではない。
初音の胸が、痛いほどに強く打つ。