エチュード〜さよなら、青い鳥〜
「学校に行って先生と、どのコンクールにエントリーするか相談してみる。
お父さん、四辻さん。お忙しい中、私のために時間を作ってくださってありがとうございました」
「いえ、お疲れ様でした」
四辻は短く答えると、会議室のドアに歩み寄る。
どうやら、ドアを開けて退室を促すようだ。
だけど、初音は動かなかった。
帰ってしまえば、四辻とはこのままになってしまうだろう。
それは、嫌だ。
この人とは、繋がりを切りたくないと、思う。
「あの、四辻さん」
ドアノブに手をかけようとしていた四辻に、初音は声をかけた。
「一度目は、“ソレアード”で。偶然、私のピアノを聴いてくれた。
二度目は、偶然、私の就職の面接担当だった。
私、偶然は2回までだと思っています。
それ以上に会いたいと思うなら、偶然に任せず、必然的に会える状態にしなければならないと。
私は、四辻さんにまた私のピアノを聴いて欲しい。
だから、連絡先、教えてもらえませんか?」
お父さん、四辻さん。お忙しい中、私のために時間を作ってくださってありがとうございました」
「いえ、お疲れ様でした」
四辻は短く答えると、会議室のドアに歩み寄る。
どうやら、ドアを開けて退室を促すようだ。
だけど、初音は動かなかった。
帰ってしまえば、四辻とはこのままになってしまうだろう。
それは、嫌だ。
この人とは、繋がりを切りたくないと、思う。
「あの、四辻さん」
ドアノブに手をかけようとしていた四辻に、初音は声をかけた。
「一度目は、“ソレアード”で。偶然、私のピアノを聴いてくれた。
二度目は、偶然、私の就職の面接担当だった。
私、偶然は2回までだと思っています。
それ以上に会いたいと思うなら、偶然に任せず、必然的に会える状態にしなければならないと。
私は、四辻さんにまた私のピアノを聴いて欲しい。
だから、連絡先、教えてもらえませんか?」