エチュード〜さよなら、青い鳥〜
『誘われれば誰とでも寝るタイプ』
聞こえたそのフレーズに、四辻は、ドキリとした。不意に別れた女を思い出す。
別れた後に、彼女がそのタイプの女だったと知り愕然とした記憶が蘇る。四辻と寝た後、平然と他の男とも寝ていたなんて、今思い出しても彼女の節操のなさには嫌悪感しかない。そしてそんな彼女の本性に気づけず、愚かにも結婚まで考えていた自分が情けなくて腹が立ったものだ。
しかし、本当に初音もそのタイプなのか?
確かに見た目は派手。美人で男ウケする顔だ。
だが、先日の面接で感じた印象では、彼女の内面はそんな身軽なものではなかった。
人に言えない苦悩を抱えながらも、丹下の御令嬢らしく、芯が一本真っ直ぐ通っていて、醸し出す眩しいくらいの存在感に、圧倒された。
そんな初音が、いいよってくる男たちと簡単に寝るような子には、どうしても思えなかった。
もう、二度と女の芝居には騙されない。そう固く誓って警戒を強くしているが、初音に関しては、自分の抱いている印象と、普段から一緒にいる友人との認識の差に、戸惑いを覚えた。
その時、店のドアが開いた。丹下初音が姿を見せた。
やはり彼女は、明らかに周囲の客たちとは持っている雰囲気が異なる。その立ち振る舞いは、『気高さ』すら感じさせる。どんな時でも『丹下』の御令嬢。育ちの良さが滲み出ている。
初音はすぐに四辻に気づいて、笑顔で小さく頭を下げた。
聞こえたそのフレーズに、四辻は、ドキリとした。不意に別れた女を思い出す。
別れた後に、彼女がそのタイプの女だったと知り愕然とした記憶が蘇る。四辻と寝た後、平然と他の男とも寝ていたなんて、今思い出しても彼女の節操のなさには嫌悪感しかない。そしてそんな彼女の本性に気づけず、愚かにも結婚まで考えていた自分が情けなくて腹が立ったものだ。
しかし、本当に初音もそのタイプなのか?
確かに見た目は派手。美人で男ウケする顔だ。
だが、先日の面接で感じた印象では、彼女の内面はそんな身軽なものではなかった。
人に言えない苦悩を抱えながらも、丹下の御令嬢らしく、芯が一本真っ直ぐ通っていて、醸し出す眩しいくらいの存在感に、圧倒された。
そんな初音が、いいよってくる男たちと簡単に寝るような子には、どうしても思えなかった。
もう、二度と女の芝居には騙されない。そう固く誓って警戒を強くしているが、初音に関しては、自分の抱いている印象と、普段から一緒にいる友人との認識の差に、戸惑いを覚えた。
その時、店のドアが開いた。丹下初音が姿を見せた。
やはり彼女は、明らかに周囲の客たちとは持っている雰囲気が異なる。その立ち振る舞いは、『気高さ』すら感じさせる。どんな時でも『丹下』の御令嬢。育ちの良さが滲み出ている。
初音はすぐに四辻に気づいて、笑顔で小さく頭を下げた。