エチュード〜さよなら、青い鳥〜
「そうなんだ。久しぶりだもんね、一緒に頑張ろ」
笑顔を向けてくれる萌。だが、それが本心でないことなど、初音は百も承知だ。予想通り、突然のコンクール出場に警戒してきた。就職のせいにすることにして正解だった。
店内にベートーヴェンのピアノソナタが流れた。常連のピアニストが演奏している。
萌と梅田がそれを聞きながら、課題曲について語り始めた。
初音はちらっと後ろを見る。四辻が、一人カウンターにいる姿を確認した。声をかけるなら、今が良さそうだ。
「大輔、知ってる人がいたから挨拶してくるね」
「あぁ」
空腹の大輔は、すでにビールをおかわりしながら、運ばれてきた料理を食べるのに夢中だ。そんな大輔に一言かけてから、初音はカウンター席にいる四辻に歩み寄った。
笑顔を向けてくれる萌。だが、それが本心でないことなど、初音は百も承知だ。予想通り、突然のコンクール出場に警戒してきた。就職のせいにすることにして正解だった。
店内にベートーヴェンのピアノソナタが流れた。常連のピアニストが演奏している。
萌と梅田がそれを聞きながら、課題曲について語り始めた。
初音はちらっと後ろを見る。四辻が、一人カウンターにいる姿を確認した。声をかけるなら、今が良さそうだ。
「大輔、知ってる人がいたから挨拶してくるね」
「あぁ」
空腹の大輔は、すでにビールをおかわりしながら、運ばれてきた料理を食べるのに夢中だ。そんな大輔に一言かけてから、初音はカウンター席にいる四辻に歩み寄った。