エチュード〜さよなら、青い鳥〜
ピアノソナタ
都内でも有名な高級住宅地。その中でも一際大きな邸宅に、初音は四辻の手を引いて入る。
「ただいま」
「おかえり、初音。お、四辻くん。なんだ、初音に捕まったか?」
出迎えたのは、丹下広宗社長だ。いつものスーツ姿ではない、リラックスした姿に戸惑う。
ここは、社長のプライベート空間なのだと、妙な緊張が走る。
「夜分に…急に…すみません。…お邪魔します」
「ごめんなぁ、仕事終わりの疲れてるところ。
初音、あんまり長いこと拘束しちゃだめだぞ、四辻くん、明日も仕事だからな」
と言う広宗の声が、何故か浮かれているように聞こえたのは、気のせいだろうか。
「じゃ、四辻くん、後は頼んだ。
俺は久しぶりに、のんびり映画でも見ようかな」
気のせいじゃない。明らかに浮かれている。
「お父さんたら。しょうがないわね、ここ最近初音のピアノに付き合ってばかりだったから」
そんな浮かれた社長にため息をつくのは、社長夫人だ。
「初めまして。初音の母です。ごめんなさい、こんな格好で。今日は遅くなってしまって、着替えもしないで急いで帰って来たところなの。
お父さんの会社の方ね?」
挨拶してくれた社長夫人は、まさかのジャージ姿だった。綺麗な女性だが、お金と時間のある優雅な社長夫人には見えない。
そういえば、社長夫人は、現役の高校教師だと聞いだことがある。
「あ、はい。アリオンエンタープライズの四辻涼と申します」
「よろしくね。後で軽食でも用意するわ」
「ただいま」
「おかえり、初音。お、四辻くん。なんだ、初音に捕まったか?」
出迎えたのは、丹下広宗社長だ。いつものスーツ姿ではない、リラックスした姿に戸惑う。
ここは、社長のプライベート空間なのだと、妙な緊張が走る。
「夜分に…急に…すみません。…お邪魔します」
「ごめんなぁ、仕事終わりの疲れてるところ。
初音、あんまり長いこと拘束しちゃだめだぞ、四辻くん、明日も仕事だからな」
と言う広宗の声が、何故か浮かれているように聞こえたのは、気のせいだろうか。
「じゃ、四辻くん、後は頼んだ。
俺は久しぶりに、のんびり映画でも見ようかな」
気のせいじゃない。明らかに浮かれている。
「お父さんたら。しょうがないわね、ここ最近初音のピアノに付き合ってばかりだったから」
そんな浮かれた社長にため息をつくのは、社長夫人だ。
「初めまして。初音の母です。ごめんなさい、こんな格好で。今日は遅くなってしまって、着替えもしないで急いで帰って来たところなの。
お父さんの会社の方ね?」
挨拶してくれた社長夫人は、まさかのジャージ姿だった。綺麗な女性だが、お金と時間のある優雅な社長夫人には見えない。
そういえば、社長夫人は、現役の高校教師だと聞いだことがある。
「あ、はい。アリオンエンタープライズの四辻涼と申します」
「よろしくね。後で軽食でも用意するわ」