エチュード〜さよなら、青い鳥〜
ーー私のピアノを聴いてくれませんか。


ソレアードでそう誘われた。ずいぶんと積極的だとは思ったが、先程、友人に『誘われれば誰とでも寝る』と言われていた女性だ。男に対して軽い女なのかもしれない。だとしたら、幻滅だ。
今夜は特に用もなかったし、彼女の真意も知りたくて誘われるままついてきた。


想像を超える大邸宅に驚いている間に、社長に初音のことを頼まれてしまった。
ピアノを聴くだけのはずだ。それともやっぱり、男として誘われたのだろうか。いや、さすがにご両親が承認のもとで抱くとかありえないだろう。

四辻は慎重に考えを巡らせる。



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