エチュード〜さよなら、青い鳥〜
「このコンクール、後援は一般社団法人一条国際文化協会。俺は、元々開催の挨拶に呼ばれてた。初音が出場しなければ、すぐに帰るつもりだったんだ。
アリオンも協賛してたな。丹下会長は、初音が出場してることは知ってるのか?」
初音はこくん、と頷く。
「知らせた。おじい様は、頑張れとしか言わない。余計な気を使わせない為に、会場には来ないわ」
「…初音」
父が初音の肩を叩いて、廊下の先、中庭が見えるガラス窓を指差した。
「…!」
中庭のベンチに羽織袴姿の祖父の姿を見つけた。側には四辻がいて、こちらを見ていた。
「会長も、相変わらず孫が可愛くて仕方ないようだな。隣の男は?」
「あー、あれが四辻です。うちの新しい人事労務管理担当」
四辻は、目を大きく見開いて一条を見ていた。
「へぇ、あれか。なかなか良い目をしてる」
アリオンも協賛してたな。丹下会長は、初音が出場してることは知ってるのか?」
初音はこくん、と頷く。
「知らせた。おじい様は、頑張れとしか言わない。余計な気を使わせない為に、会場には来ないわ」
「…初音」
父が初音の肩を叩いて、廊下の先、中庭が見えるガラス窓を指差した。
「…!」
中庭のベンチに羽織袴姿の祖父の姿を見つけた。側には四辻がいて、こちらを見ていた。
「会長も、相変わらず孫が可愛くて仕方ないようだな。隣の男は?」
「あー、あれが四辻です。うちの新しい人事労務管理担当」
四辻は、目を大きく見開いて一条を見ていた。
「へぇ、あれか。なかなか良い目をしてる」