エチュード〜さよなら、青い鳥〜
ーーどんな、殺し文句だ。

初音は着替えてくる、とドレスを翻して控え室に向かって行った。

後に残された四辻は、心臓が爆発しそうなほどドキドキしていた。


彼女が好きだ。
ピアノに真摯に向き合う姿も、時折見せる弱さも、人前で“丹下の娘”として毅然と振る舞う強さも、全てひっくるめて、好きだ。

だから、このコンクールが無事に終わったら、もっと距離を縮めたい。

くすぶるこの感情を、彼女にぶつけたい。



もうじき、予選通過者が発表になるはずだ。
四辻は、あふれそうになる感情をグッとのみこみながら、予選通過者のエントリーナンバーが張り出されるロビーへと向かった。








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