独占欲全開の超イケメン俳優と秘密の同居生活始めます!
ずっと近くにいたのに、そんなに好きな女性が他にいたなんて…


全然気がつかなかった。


『そのこと、彼女さんは知ってるのか?』


『…知らないよ。話してない。俺は…彼女をずっと騙していたんだから…最低だよ』


こんなつらそうな顔をする健さんを、俺は初めて見た。


普段、弱音を吐かない人だから…


『これから彼女さんと別れて、その人と上手くいく可能性はあるのか?』


『…可能性…か…そりゃ、大好きな人だから…結ばれたいよ。でも…そんなこと…わからない』


本当に…


思い詰めているようだった。


健さんの表情は…とても悲しい。


『そんなに思い詰める程好きなら、思い切って…気持ちを言葉にしてみるのもいいんじゃないか。まあ、あんまり俺が口出しすることじゃないけど…』


黙り込む健さん。


何か考えてるように見える。


そして、しばらくしてから、ゆっくりと重い口を開いた。


『…そう…だね。それもいいかも知れないな。自分が何年もずっと押し殺して来たこの気持ち…もう吐き出そうかな…』
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