【完結】警察官な彼と危険な恋愛白書
指切りを交わして、ふたりで約束した。
ベタなことかもしれないけど、それがすごく嬉しくて。
あ、なんかこういうの、いいなって思った。
そう思うのはきっと、若葉さんだからなんだと思う。
「若葉さん、いつもありがとう」
「え?どうしたんですか?急に……?」
「いや、なんとなく」
「ふふ。変な裕太さん。……だけど、そういう所、好きです」
「ありがとう。若葉さん」
「はい」
「若葉さん、近くまで送ります」
「え?でも……」
「いいから、送らせてください。……まぁその、さっきみたいに変な男に声をかけられたりしたら、イヤだなっていうのもあるし……」
「……ありがとうございます、裕太さん。じゃあ、お願いします」
「はい。喜んで」
若葉さんの手を握って、若葉さんの家の近くまで送るため歩き出した。
ぎゅっと握った若葉さんの手はあったかくて。だけど小さくて。