【完結】警察官な彼と危険な恋愛白書


 「若葉さんの手、小さいですね」

 「え、そうですか?」

 「はい。なんかぎゅっと握ったら、折れてしまいそうな感じです」

 「そんなことないですよ?でも裕太さんの手は大きくて、あったかいです。……なんかこう、握られると、すごく安心します」

 「そうですか?ありがとうございます」

 「はい」

 その時、ふわっと風が吹いた。

 若葉さんの長い黒いストレートの髪が、風に揺れてなびいている。

 その横顔が美しくて、若葉さんが素敵な女性なんだと、改めて思い知らされた。

 「……若葉さん」
 
 「はい」

 「若葉さん、俺……」

 「はい」

 俺の目をまじまじと見つめる若葉さんを見て、俺はドキドキしてしまう。

 「……若葉さん、俺はずっと、あなたのことが好きです。大好きなんです」
 
 「……裕太さん」

 「これからもずっと、俺のそばにいてくれますか?」

 その言葉はまるで、プロポーズみたいな言葉だったけど。俺の本心だから。

< 114 / 257 >

この作品をシェア

pagetop