【完結】警察官な彼と危険な恋愛白書
若葉さんは慌てたように手を離すと、そう言って走り出そうとした。
「待って、若葉さん!」
俺はその腕を掴んで、阻止した。
「……裕太、さん?」
「俺ももう少し、若葉さんと一緒にいたいです」
「……ほ、本当、ですか?」
「はい。本当です」
「ゆうっ……」
俺は若葉さんの体をぐっと引き寄せると、そのまま唇を重ねた。
「……え?」
「そんなに可愛いこと言われると、本当に離したくなくなっちゃうよ?」
「……はい」
若葉さんの手を引かれて、俺は若葉さんの家の中へ入った。
「……お邪魔、します」
「どうぞ。適当に座っててください」
「ありがとうございます」
「あの、コーヒーと紅茶、どっちにしますか?」
「いえ、お構い無く」
「気にしないでください。どっちにします?」
「……じゃあ、コーヒーでお願いします」
「はい」
数分後、若葉さんはコーヒーの入ったマグカップを、俺に手渡してくれた。