【完結】警察官な彼と危険な恋愛白書
「源さん、金を奪った後、男はどっちに逃げたんでしょうか?」
「恐らく駅とは反対の方向だろうな。駅に行けば誰かに見られる可能性が高い。不審な男を目撃すれば、必ず誰かが通報するはずだしな」
「……ですよね」
「だか映像はここで終わっていて、それ以外に何もつかめていない。何か他に手がかりになるものがあればいいんだがな」
「……そうですね」
最初の事件以来、手がかりは何も掴めず、捜査は止まったままだった。
背格好や歩き方から科捜研で調べてもらったが、データベースにはない人物だ。
それ以外にも、黒い手袋をしていたため、指紋も残っておらず。捜査は行き詰まっていた。
「……川畑、最初の事件は5丁目だったよな?」
「そうです。ここが2件目の犯行です」
「最初の現場では、何か出ていないのか?」
「いえ。何も。鑑識官の話だと、指紋の採取も出来ませんでした。残っていた指紋はすべて従業員の物だけでした」