【完結】警察官な彼と危険な恋愛白書
「ええ……!」
な、何!?どういうこと……!?
レジのカウンターにいる女性の店員さんに向かって、男が金を出せとナイフを向けていた。
そしてカバンの中にレジの中にあるお金を詰めさせようとしていた。
「おい!早くしろ!!」
「は、はい……!」
男はナイフを向けながら、泣きそうになっている店員さんに向かってそう言っていた。
あたしも怖さで足が震えてしまい、その場から動けなかった。……怖い。一言で言うと、そんな感情しかなかった。
「いいか?レジの金全部だぞ!!」
「は、はい……」
女性は震えながらも、男の言うとおりカバンの中にお金を詰めていた。
もちろん、今コンビニの中にいるお客はあたしだけ。そして店員さん。
あたしの存在には気づいているのかいないのか、分からなかった。
男は目出し帽を被って顔を隠していたからだ。顔は見えないけど、背格好からして細身な人だということは分かった。