【完結】警察官な彼と危険な恋愛白書
「おい!これで全部か!!」
「は、はい……全部です……」
そして男が立ち去ろうと振り返った瞬間に、あたしはその男と目が合ってしまった気がした。
その瞬間……。あたしは凍り付くように動けなくなった。
そして察した。ヤバイって……。
一瞬にして、察したんだ。あ、あたし殺されるかもって……。
そしてカバンを持った男が、あたしに静かに近づいてきた。
「……っ……」
どうしよう……。動きたいのに、動けない……。
「……おい。見たな?」
「……い、いえ……見てません……」
そんなのはそんなのは明らかなウソだって言うのは、男だって分かっているはずだ。
「嘘つけ。本当は見ただろ?見たんだよな?」
「……いえ」
「ウソを付くな!!!」
怒鳴られた瞬間に、体が強張るのが分かった。
……あーあ、あたしもうダメだ。終わる。この男に、本気で殺される。
そう思ったんだ。