【完結】警察官な彼と危険な恋愛白書
その瞬間にホッとして安心したのか、あたしはその場にしゃがみこんでしまった。
足がすくんで、動けなかった。
「……落ち着け」
深呼吸だ。深呼吸……。
大丈夫。きっと裕太さんは来てくれる。
そう思うことで、自分をなんとか立ち上がらせようとした。
「若葉さん!!」
そしてそのときも聞こえたのは、あたしが最も聞きたかった愛おしい人の声だった。
「……ゆ、裕太さん……?」
そしてその瞬間に、あたしは裕太さんの腕の中に収められていた。
包み込まれるのは、裕太さんのふわっと薫る香り。
「……よかった。無事で……」
「裕太さん……来てくれたんですね……」
「本当によかった。……まさか君がそんなことになるなんて、思わなかったから、焦ったよ……」
「すみません……裕太さん。心配かけて……」
「……若葉さん」
「はい。……何でしょうか?」
「……若葉さんに、話を聞かないといけないんだけど……」