【完結】警察官な彼と危険な恋愛白書
俺は内心、かなり焦っていた。その人がもし若葉さんだとしたら、俺はどうすればいいのだろうか……。
もしかすると、若葉さんは犯人に……。
いや、そんなこと考えたくない。そんなことある訳がないと信じたい。
「……川畑、まさかその人って……」
山崎の言葉も、少し曇っていた。
「……若葉さんかも、しれない」
「おい!早く行ってやれよ!若葉さんが大変かもしれないんだろ!?」
「……でも」
「行けよ!……それに若葉さんは、大事な目撃者だ。話を聞く必要がある」
「……ああ、そうだな」
若葉さんは大事な目撃者だ。当然、話を聞かなければならない。
……もしかすると、若葉さんの証言一つで、事件の方向性が分かるかもしれない。
犯人逮捕に繋がる何かを、彼女は知っているかもしれないんだ。
……恋人ではなく、俺は゛刑事゛として。彼女に話を聞かないといけない。
そこには、恋愛感情なんか持ってはいけないんだ。