【完結】警察官な彼と危険な恋愛白書
side若葉
「……笹木若葉さん、あなたは犯人の顔を見ましたか?」
「いえ。見ていません……。目出し帽を被っていたので、顔は見えませんでした」
「他に何か気になることはありましたか?」
「気になること……気になること……」
頑張って思い出そうとしたけど、思い出せることも少なかった。
「ムリにじゃなくて大丈夫です。何か思い出せそうならで、大丈夫です」
「……はい。すみません……」
「謝らないで大丈夫ですよ?」
「はい……」
「笹木さん、あなたは事件の時、どこにいましたか?」
「えっと……この辺りです」
自分がいたであろう場所を、店内の見取り図を指差した。
「その時犯人は、どうしていましたか?」
「えーっと……ナイフを店員さんに向けていて、金を出せと言っていました」
「あなたはその時、どうしていましたか?」
「えーっと……その、恥ずかしながら、怖くて動けなくなってしまって……」