【完結】警察官な彼と危険な恋愛白書
「……なるほど。犯人の特長を、何か覚えていますか?」
「何か……。ただ一つ分かることは、背は高めで、スラッとしていました。それから、多分ですけど……」
「何ですか?」
「あ……その、あたしの勘違いとかだったら、申し訳ないのですが……」
「遠慮なく、言ってみてください」
「……あの男の人、左腕にかすかにですけど、なんかこう、模様?みたいなのがあったような気がします……。タトゥー?というか、入墨?というか……」
「笹木さん、それどんな模様か分かりますか?」
「え?えーっと……なんだっけ……。あ、確か、龍の絵だったような気がします……けど」
「ありがとうございます。その他に気になることなどは、ありましたか?」
「えーっと……あっ」
「何ですか?」
「……ほのかにですけど、香水みたいな香りがしました。柑橘系のような、甘い香りです。だけどそれ以外にはもう……すみません」
「いえ、ありがとうございました」