【完結】警察官な彼と危険な恋愛白書


 「だけど、俺でよければ。若葉さんの力になるよ。若葉さんのために」

 「え?でも……」

 「捜査は出来ない。だけど若葉さんのそばにいることは出来るから」

 「……裕太、さん……」

 「刑事としてじゃなく、今は君の恋人として言ってる」

 「……はい」

 「犯人は君の顔を知ってるはずだ。……君がまたいつ同じような目に遭うのかだって、分からない。だから俺が君のそばにいて、君のことを守るよ。……それで君が少しでも、安心してくれるのなら」

 その気持ちにウソはない。刑事としてムリなら、彼女の恋人として、彼女を守ればいい。

 刑事は俺の本職だ。だけど彼女の恋人としている時は、俺は刑事ではない。

 一人の女性を愛するただの男だ。だったら、その手を利用すればいい。

 事件解決のために、使えるものはとことん利用させてもらう。

 若葉さんが安心して、また元の生活に戻れるように。俺がサポートしてあげるんだ。

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