【完結】警察官な彼と危険な恋愛白書


 「……はい。ありがとうございます」

 「若葉さん、もしかしたら犯人は、君の職場にも現れる可能性だってないわけじゃない。しばらくカフェの仕事は休んだほうがいい」

 「……実はその件で。店長が事件の後、なんであたしにケチャップを買いに行かせたのかって、ひどく落ち込んでいるみたいで……。あたしのことをかなり心配してくれていているみたいなんです。若葉さんは大丈夫かって……」

 「……そっか」

 「あたしも一応事情聴取で起きたこと全て話したし、大丈夫だと言ったんですけど……。店長が何かあったら大変だから、しばらく仕事は休みなさいって言ってくれていて……」

 「そうだったんですか。ならそうした方がいい」

 「でも……家にいるときっと、そのことばかり考えてしまうような気がして……。逆に家にいたくないというか……」

 「うんうん」

 「だからその、そのことを思い出さないというか、考えないようにするために。働いていたいというか……」

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