【完結】警察官な彼と危険な恋愛白書


 「……なるほど」

 事件を目撃した人や事件に遭った人の中の何人かは、家にいるとイヤなことや事件のことを考えてしまうから、働いていたいという人もいる。

 若葉さんもきっと、そういう人なんだろうなって思った。

 「……あの、裕太さんは、どう思いますか?」

 「うん……そうだな。今までの事件関係者の中にも、若葉さんと同じでそう言っていた人もいます。……なのでもし若葉さんがそうしたいと言うのなら、反対はしません。ただし、働くのなら、厨房メインの方がいいとは思います」

 「え?どうしてですか?」

 「ホールに出てもし万が一、その時の犯人が客のフリをしてあなたの前に現れる可能性だって充分に考えられます。……そう言ったリスクを減らすのなら、ホールではなく裏方の仕事に就く方がベストです」

 「……なるほど。そうなんですね」

 「もし犯人が現れたとして、その時にあなたを殺そうとしたりする場合だって、ない訳ではありませんから」


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