【完結】警察官な彼と危険な恋愛白書

side若葉



 ピーンポーン……。

 裕太さんと電話してから40分後。自宅のインターホンが鳴った。

 「はい」

 「若葉さん、俺です」

 「どうぞ。上がってください」

 静かに家の玄関を開けた。

 「お邪魔します」

 「どうぞ。適当に座っていてくだ……きゃっ……!?」

 キッチンに行こうとしたら、突然裕太さんに後ろから抱きしめられた。

 「ゆ、裕太……さん?」

 「ごめん。若葉さん」

 「え……?」

 どうして裕太さんが謝るのか、あたしには分からなかった。

 「事件解決する前に、こんなことになってしまって……本当に、ごめん」

 裕太さんの抱きしめる力が少しだけ強くなった気がした。
   
 「……いえ。裕太さんのせいじゃありません」
  
 「若葉さん……」

 「裕太さんが気に止む必要はありません。……たまたまあたしがそこにいたってだけで。裕太さんのせいではありませんよ?」

 「……ありがとう。若葉さん」

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