【完結】警察官な彼と危険な恋愛白書
「何かありましたか?気になることでも」
「……あ、あの、大したことじゃないんですけど……」
「何ですか?言ってみてください」
今思うと、男と目が合った時、あの時小さな違和感があたしの中にはあった。
その違和感の正体を知っていたけど、言わずにいた。……ううん、言えなかった。
「……あの、目出し帽を被った男なんですけど……。チラッとですけど、首元に小さな火傷?みたいな痕があって……」
「え?それは本当ですか?」
「た、多分……。ただ、チラッとしか見えなかったので、あまり信用性はないとは思いますけど……」
「いや、それは手がかりになるかもしれない。何か進展を迎えるかもしれない」
「でも……勘違いだって可能性もあると思って……警察では、言えませんでした」
「話してくれてありがとう。若葉さん」
「……すみません。黙っていて」
「いえ。話してくれて、ありがとうございます」
「……はい」