【完結】警察官な彼と危険な恋愛白書
少しだけだけど、若葉さんの元気が戻ったように見えた。
きっと本当は、今だって怖いはずだ。だけど若葉さんは、明るく振る舞っているから、もしかしたら明るく見せているってこともあるけど……。
少なくとも俺には、緊張が解けて和らいでいるように見えた。
少しでも若葉さんが元気になってくれるのなら、俺はそれでいい。
若葉さんが唐揚げを作ってくれている間、俺は事件の内容を山崎からメールで送ってもらい、それを見返していた。
その時、山崎から電話がかかってきた。
「はい。もしもし」
「川畑。お前が言ってた首に火傷らしき物があると言っていた男が見つかったぞ」
「え?本当か?」
「ああ。男の身元も分かったぞ」
「……そうか。よかった」
「とりあえず任意で話を聞くため事情聴取することになった。詳しいことはメールで送る」
「ああ、ありがとう。……悪いな。何も出来なくて」
「気にするな」