【完結】警察官な彼と危険な恋愛白書


 「……山崎、ありがとう」

 「いいってことよ。ま、また何か分かったら連絡する」

 「……ああ」

 電話を切り、ふと若葉さんの方を見る。

 若葉さんは一生懸命、ポリ袋に入れたお肉を味を染み込ませるように揉んでいた。

 ……なんかこう、こういうのを見ると、新婚夫婦みたいだなと感じた。

 「……って、俺は何を考えてるんだ」

 「え?何か言いましたか?」

 「い、いや、何でもない……!」

 何てこと考えてるんだ。俺は……。

 「あと少しで出来ますから、もう少し待っていていてください」
 
 「ああ、ありがとう若葉さん」

 若葉さんは嬉しそうに、唐揚げを揚げ始めた。

 唐揚げのいいニオイがキッチンから立ちこめてきた。

 美味しそうなニオイだな……。そういえば、お腹空いてきたな。
  
 今思うと、誰かの手料理を食べるなんて久しぶりだなって思った。好きな人と一緒に料理を食べるなんて、久しぶりで少し緊張してしまう。


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