【完結】警察官な彼と危険な恋愛白書


 その後、不安をかき消すように彼は頭を撫でてくれた。

 何度も大丈夫だと、言い聞かせてくれた。

 「……すいません。裕太さん。お味噌汁、すぐに温め直しますから」

 「いや、このままで大丈夫だよ」

 「でも……」

 「本当に大丈夫だよ。このままでも美味しいから」

 「……裕太さん」

 「気にしなくても大丈夫だよ」

 「……はい」

 あたしのせいで、唐揚げも冷めてしまった。

 温かいうちに食べてもらうはずだったのに……。

 あたしのバカ……。何やってんだろ……。

 そして夕飯を食べ終えた後、あたしはキッチンで食器を洗っていた。

 裕太さんはスマホで刑事とやり取りをしていた。事件にもしかしたら、何か進展があったのかもしれない。

 だけどあたしは刑事じゃないから、そんなこと聞ける立場じゃない。だから、聞きたいけど聞くのをやめた。

 そして数分後、突然「若葉さん!」と名前を呼ばれた。

 「はい?」

 そしてその後、あたしは……。

< 159 / 257 >

この作品をシェア

pagetop