【完結】警察官な彼と危険な恋愛白書
「その可能性は充分にあるわね」
「なるほど……。どこかに犯人の指紋とかはありませんでしたか?」
「いいえ。拭き取られたかは分からないけど、残ってなかったわ。……あ、ただ」
「何ですか?」
「鑑識が調べたあの場所は、殺害現場ではないことが分かったわよ」
「本当ですか?」
「ええ。本当の殺害場所はそこじゃないわ。現場に血のついた石が落ちていたけど、あれは凶器ではないことが分かったわ。本当の凶器は、もっと別のもの。あの石はカモフラージュ……って所かしらね?」
カモフラージュ……。だとしたら問題は、何で犯人はそんなことをする必要があったのか。
どうして遺体を別の場所に遺棄する必要があったのか、だな……。
「玲美さん。本当の殺害現場って、どの辺だか分かります?」
「今調べてる最中よ。まだ時間かかるわよ?」
「そうですか……。じゃあまた何か分かったら、連絡ください」
「了解!」
「お願いします」