【完結】警察官な彼と危険な恋愛白書


 そして翌朝の午前8時。俺は山崎と署で合流してから、緒方の家へと向かうことにした。

 調べで緒方が今家にいることは分かっていたため、緒方から話を聞くことは絶対的だ。

 緒方は現在一人暮らしで両親も小学生の頃にすでに他界していた。他に身内がいないことは、当時の事件資料から分かっていた。

 緒方はどうやら、5ヶ月前の麻薬取引の組に関わりがあるようだ。そのことを問い詰められたらきっと認めるしかないだろうな……。

 前科がある以上、容疑を認めるしか彼に道はない。一応警察が来たと分かれば、逃亡する可能性も充分にあるため、緒方の自宅の周りを源さんと他の刑事も見張っていた。

 緒方の家に着くと、山崎がコンコンと部屋のドアを叩く。インターホンは壊れているらしく、鳴らしても音が出なかった。

 4回目のノックで、ようやく緒方は眠そうな顔をしてきたドアを開けた。

 「緒方和真さんですね?」

 「そうっすけど……何か?」

 「警察です。少しだけお話を聞かせて頂けますか?」

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