【完結】警察官な彼と危険な恋愛白書
「店長……」
そう思ってたとしてもきっと言わなかったのは、店長なりの優しさだったのかもしれない。
「でも若葉ちゃんは辞めるつもりないって言ってくれて。ここで働くのが楽しい。生き甲斐だからってそう言ってくれた時、本当に嬉しかったよ。ありがとう、若葉ちゃん」
「はい。こちらこそありがとうございます。これからもよろしくお願いしますね?店長」
「こちらこそ。……あ、ごめん。もう始まる時間だね。引き止めてごめん」
「いえ!じゃああたし、開店作業進めてきます」
「うん。お願いします」
あたしはホールヘと向かい開店作業を進める。テーブルを一つ一つアルコールで拭いて、窓ガラスの掃除や入口の前の掃き掃除。そして開店5分前には看板を入口に立てて、テラス席の開放。
朝はやることが多くて大変だけど、なんだかんだこれもまた日課みたいな物だから慣れてしまった。
だけどそれもまた気持ちがいいから、気分も上がるんだと思った。