【完結】警察官な彼と危険な恋愛白書

side裕太



 「課長、お疲れ様でした」

 「お疲れ様。遅くまでありがとうな」

 「いえ。じゃあまた明日もよろしくお願いします」

 「お疲れ様」

 仕事を終えて家へと帰宅する。ここ最近、あのひき逃げ事件の捜査に追われていて、事件解決までにやはり時間がかかってしまった。捕まえた犯人は若い男だった。しかもナンバーは偽装ナンバーで、度々ナンバーを偽装のものに変えることまでしていた。

 そのせいで犯人を見つけるのに苦労した。でもまあこれで、なんとか犯人は捕まった。だけど犯人は事情聴取でとんでもないことを口にした。

 「人を引いたなんて思ってませんでした。たぬきとか?そういう系引いたのかと思いました」なんて口にしたのだ。事情聴取していた源さんは、その言葉に怒りが大きくなり、容疑者の服に掴みかかり怒りを顕にした。

 だけど俺にはそれも、幻滅した。人殺したくせに何言ってんだ?そう思ったのは確かで。源さんがあそこまで怒りを顕にしたのはきっと、娘さんのことを重ねているからだと思う。

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