【完結】警察官な彼と危険な恋愛白書
源さんの娘は、結婚して子供がいた。だけどその娘さんが2歳の時、お子さんがひき逃げにあって亡くなったそうだ。娘さんは子供を亡くしたことで深い悲しみに暮れていたと言っていた。
だからこそ源さんは、そう言った犯人を許せないんだと思う。自分が実際に経験したからこそ、許せないんだろうな……。
「……川畑」
「わっ!ビックリした……!」
署を出ると、源さんが入口で待っていた。
「驚かせて悪い。ちょっといいか?」
「……はい?」
源さんは突然、そう口にした。俺と源さんは近くの居酒屋に入った。
「なんですか、源さん?急に」
「いや、ちょっとな。一杯飲みたくなって」
「そうなんですか?」
「ああ。俺のおごりだ。好きなもん飲めよ」
「……じゃあ、生ビールで」
生ビールを2つ頼んだ源さんは、お絞りで手を拭いて俺に一言問いかけた。
「川畑、さっきは悪かったな」
「え?」