【完結】警察官な彼と危険な恋愛白書


 「すみません!連絡頂いた川畑です!」

 「川畑様、お待ちしておりました。……こちらです。案内します」

 病院に着くと、看護師さんが病室へと案内してくれた。その足取りはとても重くて、病室へと向かうのが怖かった。

 「こちらが、笹木さんの病室になります」

 案内されたのは、ICUだった。……ここに、若葉さんが……?

 「手術はなんとかうまく行きましたが……。今も意識不明のままです。目を覚ますかどうかも、正直……」

 看護師のその言葉がとても重く感じた。

 「……そうですか」

 病室で眠る若葉さんの頭には、包帯が巻かれて、腕や手にはすり傷があり、若葉さんが相当ひどい怪我をしたのだと悟った。

 「彼女、ボールを拾おうと道路に飛び出した小さい女の子を助けようとして……。事故に遭ったみたいで……。女の子を、咄嗟に助けようとしたみたいです」

 「……若葉さんが?」

 「女の子は軽い怪我で済みましたが……」

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